扇松園のこと

ごあいさつ

いつも扇松園をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
私ども和風旅館 扇松園は、前身である「扇屋旅館」昭和13年の創業以来、
地元旭川の皆さまに愛していただき
育てていただきながら今日まで歩んでまいりました。

皆さまとの出会いがあって、ご縁があって、
永きに渡り旅館を続けて来られましたことを心からお礼申し上げます。
平成20年の創業70周年にあたって思い出されましたのは
初代女将が残してくれた「ありがとう」という最後の言葉でした。

それは家族に向けただけではありません。
お客さま一人一人に対してはもちろんのこと、
従業員みんなに、食材を提供してくださる地元生産者の方に、
料理を盛った器に、その器をつくってくださった方に、
庭を照らしてくれる月に、その向こうにひろがる旭川の四季に、
なによりも北海道の自然や、日本という国と文化に、
自分をとりまくすべてに感謝したかったのだと思います。

七十年という歳月は、人の一生に相当します。
人は何かの役目を担ってこの世に生まれてくると言います。
その役目を全うするために生かされているのだ、とも。
いま、世の中は、明るい話題ばかりではありません。
それでもなお、一人一人が、生きていること、
生かされていることに感謝することで、
世界は少しずつ愛と信頼で満たされていくはずです。

扇松園は、はじめます。「ありがとう」から、すべてを。
接客から料理、演出、案内にいたるまで、その一つ一つに、
「ありがとうのおもてなし」を実践していきます。

 沿革

1938年(昭和13年) 旭川市8条7丁目に旅館「扇屋」開業
1948年(昭和23年) 長女高橋富美子二代目女将就任
1966年(昭和41年) 二代目夫妻、高砂台に「扇松園」開業
1971年(昭和46年) 扇屋と扇松園に一本化
1986年(昭和61年) 本館・別館リニューアルオープン
2000年(平成12年) 大浴場にサウナ・露天風呂オープン
2008年(平成20年) 創業70周年、高橋仁美三代目女将就任
2015年(平成27年) 第26期女流王位戦対局開催
2016年(平成28年) 第57期王位戦対局開催
2018年(平成30年) 創業80周年

 日本庭園

私たち扇松園の自慢は旭川、高砂台の水、そば扇のそば、そしてお客さまにお楽しみいただき、また家族にとっても思い出深い日本庭園です。

2代目会長・高橋彰久が1970年に開催された大阪万博の日本庭園にヒントを得て、自ら土を、石を、花を選び、猫と呼ばれる一輪車で運び込み、最後にはクレーンで積み上げて造った、扇松園への想いがこもった庭です。その過程には、送り込んだ水が出なくなったりといった試練もありましたが、時の流れとともに、扇松園の歴史が重なっていくとともにだんだんと苔生し、現在の美しい庭園になりました。

春には旭川の花・つつじや藤が咲き、夏には瑞々しい緑が涼やかな爽風に揺れ、秋が来れば紅葉が赤く染まり、落ち葉が枯れた芝を覆います。冬が訪れると、こんもりと岩に積もった雪景色が日本画のようです。

扇松園の象徴とも言える日本庭園をお部屋から、大浴場横の回廊から、またロビーで熱いコーヒーを飲みながらお楽しみいただけましたら
幸いでございます。

 そば扇のお蕎麦

昭和41年8月、2代目社長彰久が現在扇松園のある高砂台3丁目のそば店を購入し、扇松園が誕生しました。

この際、そば店で使っていた「かえし」を受け継ぎ、打ち立ての美味しい蕎麦を作る旅館を扇松園の個性にしようとそば作りを学んで「そば処 そば扇」が生まれました。以来多くのお客さまに打ち立てのおそばをお楽しみいただいています。

そば扇のそば粉は旭川近郊の江丹別、幌加内産を使用し、高砂台の湧水でお作りしています。

そばの香りや甘みをそのまま味わえるもりそばの他、自慢の揚げそばやそば寿司、そばがきや、3代目、4代目も食べて育った、地元江丹別産のかぼちゃを使用したかぼちゃのグラタンや名物げんこつザンギなど、そば扇ならではのメニューも好評です。

ぜひ扇松園伝統の手打ちそばを、そば処 そば扇でご賞味ください。

 高砂台の名水

扇松園のお湯は温泉ではございませんが、知る人ぞ知る名水、ここ高砂台の冷泉(冷鉱泉)を使用しています。

この湧水は軟水で肌や髪にやさしく、穏やかにからだを温めてくれます。

また飲んでも美味しいと評判で、扇松園の蕎麦はもちろん、お客さまにお召し上がりいただいていますお料理にも使っており、お客さまのお部屋に設置している冷蔵庫の中には汲み立ての「扇松園の水」をご用意しています。

美味しい「扇松園の水」をぜひお愉しみください。
お水のおかわりはフロントデスクにお申し付けください。

 旭川への想い

私たちが住んでいる 大好きな町で
ひとりとひとり
小さなお店も 小さな企業も
キラキラ輝いて 物語を創っていく ―
そんな町が そんな日本が いいな~って思います。

私たちは、ここ旭川、北海道、そして日本を愛しています。
旭川は北海道の真ん中、お米も野菜もくだものも
美味しいんです!
真ん中なのに海産物も新鮮で美味しい!!
その訳は周りの海でとれたものは、
一番に旭川と札幌の市場に入るから。

私たちは、全て地元のもの、国内産のものに
こだわっていきたいと思っています。